2012年9月20日木曜日

米国が真似した修身教科書

昨夜、「今、子供たちに伝える道徳とは」(武蔵野大学貝塚茂樹氏、高崎経済大学八木秀次氏)の講演を聞きました。

・「人間が生きていく上で他者との関係を如何に結んでいくのかを考えるのが道徳」

・学校現場で「規範意識の低下」が問題視されているが、徳目を教えていない結果であろう。

修身教科書への誤解を解くための4ポイント。
(修身教科書を読んでいないのに拒否反応をもっている教育関係者が多い。)
①終戦後直ぐに占領軍の命を受け「修身教科書」を詳細に分析した、ロバート・キングホールによると、「一部の記載を除き、修身は全体的に無害である。内容のレベルが高い。」と発表。「SHUUIN]というタイトルでコロンビア大学に学位論文を提出したそうです。

 
②占領軍は「修身教科書は日本の偉大な遺産である」と認識したということです。

③ウィリアム・ベネット教育長官(レーガン政権時)は、米国の教育荒廃に立ち向かうため、日本の教育を参考にした。特に「修身教科書」から学んだ。結果、「The Book of virtue] を執筆。内容は修身スタイル(正直、友愛といった徳目について、実在の人物のエピソードから学ぶ)。2000万部以上売れている。
序文には「いまこそ、こどもたちに教えるべき時だ。今きちんと教えないと米国が衰退する。衰退から逃れるためには、良き生き方をした人々の生き方を子供に伝えるのだ。。。。」

④伝記シリーズ
登場人物、エピソードともに、修身教科書に書かれていることと同様である。

「道徳教育」を考える3つのポイント。
①道徳は教科化して、教員養成時に教師が教え方を学ぶこと。

②授業の中で、生徒に議論させ終わるのではなく、きちんと善悪を「教える」こと。
 (どう思う?ではダメ、良い悪いの判断を示すべき)

③大切な徳目(規範、正直などなど)を人物の生き方を通して具体的にイメージさせること。生き方を通して道徳的な心情を養うこと。

大変、面白講演内容でした。子供だけでなく、大人こそ、率先して徳目を学ぶ必要があると感じました。


なお、自民党1,2期の勉強会で八木秀次氏を招いて、「これからの日本の教育~道徳教育を中心に」を開催します。参加無料ですので是非お越しください。

日時  10月5日金曜日  午後3時15分~(120分)
場所  男女共同参画センター(前橋市大手町1-13-12)


一度、聞いてから、判断しよう。

2012年9月19日水曜日

群馬がん治療技術国際戦略総合特区

群馬県が9月に国に申請する「群馬がん治療技術国際戦略総合特区」についての厚生文化常任委員会と産経土木常任委員会の連合審査会がありました。

特区により今後5千億円の経済効果と4万人の雇用が見込まれるそうです。群馬にある重粒子線がん治療装置(世界で5つ)を中心に、①本技術の確立と世界市場の獲得、②がん医療従事者の養成プログラムを構築し、グロ-バル人材の育成・輩出、③医工連携・医療ツーリズムといった新産業創出。

・県民に重粒子線がん治療について周知することも大切。(切らずに治せる、短時間治療、副作用少ない、治療費314万円程度)

・重粒子線機器は10万点ほどの部品があるが高度なので現在は三菱系企業が独占しているそうだ。がん治療および周辺機器で群馬の中小企業が関与出来る余地は?

・がん特区というなら、重粒子線は主体としても免疫、化学、外科、エックス線など様々な治療
の研究と関連ビジネス、がん予防のための「食事」「生活習慣」などにも視点を広げてほしい

2012年9月18日火曜日

県議会展示ホールがリニューアルしました。

9月定例議会が始まりました。
県議会展示ホールもリニューアルし、今日からオープンです。
事務局職員の方の手作り感があります。

写真がうまくはりつけません。

2012年9月17日月曜日

米国からの圧力から見た戦後史




孫崎享著「戦後史の正体」創元社1500円。を読み、驚きました。「米国からの圧力とそれへの対抗を軸に歴史をみる切り口もあるのか」と、かなりお勧めしたい本です。噂で聞いていたことや部分的に、雑誌から読んだりしたことも出てきて、妙に納得してしまいました。

外交や国政に携わろうとする者は「歴史を学ぶ必要がある」と、私は考えています。現在、国政に身を置いている方、これから挑戦しようとしている方のどれだけの方が、危機感を持って歴史を学び、これからの日本の外交と国益を守っていこうとしているのか、それを有権者は問うていく必要があるのではないでしょうか。

歴史も著書によって取り出され、利用される文脈が意図される場合があるので、様々な方面から情報を得る必要があろうかと思います。一つの切り口として、「アメリカからの圧力」という視点で歴史をみると、現在進行形であり、将来も続いていくことなので怖くなります。国のかじ取りは大変厳しいと感じざるを得ません。これが、著者の「思いすごし」なら、読者として気が休まるのですが。。

終戦後の占領政策から現在まで、アメリカの関わり方を資料をもとに書いてあります。
ポイントは3つ。
①米国の対日政策はあくまでも米国の利益のためにある。
②対日政策は米国の環境の変化によって大きく変わる(例:占領時代は懲罰的な政策、冷戦時は共産主義への防波堤として優遇、1990年代からは最大の脅威であり、アメリカの軍事戦略に取り込み資金を提供させる)
③米国は自分の利益に基づいて日本に様々な要求をする。

例として、いくつかの出来事を圧力と利益の点から指摘してありました。
=プラザ合意(円高になり空洞化が始まる)、BIS規制(世界トップにいた日本の金融機関が凋落する)、湾岸戦争(積算根拠もないまま130億ドルの資金協力)、日米構造協議、日米包括協議、2005年の日米同盟未来のための変革と再編(軍事協力の対象が極東から世界へ拡大)、郵政民営化(郵貯資金が米国債を買う危険),米政府系住宅金融機関2社の社債数兆円を日本政府に購入要請など、TPP(日本社会をアメリカ流にする危険)
=現状を変えようとした政治家たち(ほとんど短期退陣)と追従派政治家
=報道と検察
=日本が貧しいころの外交官と今の外交官

先日、竹中平蔵氏は著書や勉強会では、郵政民営化やTPPの必要性、米国型システムの導入のメリットを語ってくれました。三橋貴明氏などはTPPについては反対。このように、専門家がそれぞれの異なる見解を示される。。。。。。出来るだけ良質の情報ツールと、情報源を他方面から得なければ、判断しずらいですけれど。

国会議員には、常に、「外交」・「防衛」・「教育」・「長期的な国内の経済政策(社会保障、税含む)」について、語って欲しいですね。

2012年9月15日土曜日

高崎青年経営者協議会55周年記念

本日、高崎青年経営者協議会55周年記念に出席しました。工業関係の中小企業の青年経営者たちの集まりです。

途上国との価格競争や円高により、工業製品の出荷量は設備投資分を大幅に下回り、出荷額も低迷しているとのこと。

工業生産に携わる私の友人と話をすると必ず、技術の先鋭化や技術革新の努力をしても、すぐに途上国に追いつかれる厳しさ、円高や電気代などの生産コストなどで、製品価格の引き下げをしてきたが限界である、という厳しい話題になる。

これまで、リストラやコスト削減努力でしのいできたが、これからの電気代の上昇で、もう体力が続かない。。という仲間の話。

技術開発費補助といった支援へのニーズは高い。そういった県からの補助は歓迎するものの、厳しい競争環境はこれからも持続する。価格競争になると、コアな技術、コアな製品のみ、国内で生き残るが、それには人員削減といった厳しい判断が迫られる。

「日々、技術面の進歩を求めて、前に進んでいる」状態。。。友人を見てそう思う。
何とかならないのか、、、と私も、焦りだけが募っているのです。技術革新、新しい分野への挑戦、口では簡単だけれど、何らかの転換が必要。。

今日の式典では、若い経営者達の勢いが、私の焦りを少し薄めてくれました。

2012年9月13日木曜日

「いじめ」と「犯罪」は分けて議論すべき

大津市の中2男子生徒の自殺にかかわる事件、埼玉県草加市の中2男子生徒が強要されて校舎の廂から飛び降りた事件、埼玉県川越市で中2の男子生徒が公園で暴行を受けた事件(8か月たった今も意識不明の重体)。

次々と報告される「いじめ」。その中でも、「恐喝」や『暴行」は学校だけでは対応しきれない犯罪ともいうべき事件ではないだろうか?

大人たちの間での出来事なら、飛び降りの強要、繰り返しの金の無心、暴行、は犯罪である。

「問題は、学校教育の中で受け止めて指導すべき狭義の『いじめ』と、学校教育では対応しきれない『犯罪に該当する暴力行為』まで、ごたまぜに扱われてきたことにある」(教育評論家石井昌浩氏)

「いじめ」も「犯罪」も許されない。でも、すべての行為を「いじめ」という言葉で括って表現してしまうところに、暴力行為をエスカレートさせる甘さがあるような気がします。

自殺したり、脅されたり、傷付けられている子供の気持ちを思うと胸がいたくなる。
きっと、現場の先生達は、自分の生徒たちのそれぞれの人間関係に最大限の関心を払っている最中だと思う。いじめの兆候がないかしっかりと確認するのに、今精いっぱいだと思う。

だからこそ、現場にいるせ先生達は、「どう考えているのだろうか」。

そういえば、「援助交際」という言葉、これは実態の醜さをごまかしてしまう表現でしたね。

2012年9月11日火曜日

産官学の連携で森林資源を活用する

 川場村と東京農大、清水建設が「グリーンバリュープログラムに関する研究開発」を行うという。
関村長は小水力発電も含めて再生可能エネルギーで自給率を120%にしたいとの意欲を語ってくれました。

この産官学連携は、森林資源を活用した「木質バイオマス」発電と間伐材の加工・販売による地場産業の創出等を目指しているとのこと。

これから具体的な話が進むそうですが、木質バイオマス発電は、川場村の間伐材だけでは足りないのではないかという課題があるものの期待も大きいと思います。

知恵を絞って良い地域モデルを作っていってほしいと思います。

川場村の里山自然学校

川場村が世田谷区と行っているプロジェクトの話です。

小学校5年生(現在は6000人ぐらい)になると、川場村に建設した2つの施設(中野ビレッジ、ふじやまビレッジ)に2泊3日で農村と自然体験を行います。

およそ25年前から続いているプロジェクトで、子供たちは、夕食作り、山歩き、星を見たりナイトハイクをしたり、川の生き物を観察したり、経験し、村めぐりをして農家に立ち寄りながら農業の話を聞きます。

子供たちだけで、自然の中で過ごし、農家の方とのふれあいをする、素晴らしい教育だと思いました。
中野ビレッジは建物の素敵でした。本当は高崎の子供たちにも、こういう体験をさせてあげたいと思いました。

月から水は小学生、水~金は別の小学校が宿泊し、金から日は世田谷区の区民が宿泊に来るということで、基本的にこの施設を中心にリピーターが来村するようです。

こうした経緯もあり、リピータが多いので、道の駅「川場田園プラザ」を建設しても採算が取れると考えたため、建設が実行されたとのことでした。

世田谷区との交流を通して、農村整備のありかたにも様々な視点でアドバイスを得ているとのこと(たとえば、石積みの棚田を残したかたちでの整備など)
そこに住んでいると気がつかない価値を外から指摘される良い例だと思いました。




2012年9月7日金曜日

猪瀬直樹副知事と孫正義氏の対談

昨日、自然エネルギー財団のシンポジウムに行きました。

猪瀬氏の論調は、家庭での電力メーターを東電以外の電力でも選択可能なものにすべきである。(競争原理を取り入れていくのは)チャンスは今しかない。発送電の分離も今だからできること。
送配電線網は公共性が高いので、各電力会社が透明性の中で使用料を払ってアクセスできるようにすべきである。

自然エネルギーの整備が続いているが、当面、電力需要を賄うには時間がかかるだろう。それまでの間、東電の老朽化した火力発電所を建て替えることが必須となっている。建て替えだけなのに、3年間の環境アセスメントを経る必要があるというのが環境省の見解。それを1年早めようといのが産経省の見解。どちらも、縦割り思考でダメである。 直ぐにしないと間に合わない。


孫氏の論調。電力会社の独占下での高いマーケットシェアでは、本当の競争ができない。電力の自由化が進めば2割料金を下げることができる。
今後、自然エネルギー分野でも技術革新があるので、固定買い取り制度といっても、買い取り価格を下げていくのは事業者として当然のことと考えている。

風力発電でも規制が厳しく、特殊設計を求められ、外国の風力設備より高いジャパン価格が設定されてしまう。規制緩和が必要だ。地熱も環境アセスで10年かかる。自然を守るために原発ではないエネルギーを得るための地熱発電なのに、国立公園の1%に満たない土地の自然を守ろうとしている。考え方を変えるべきである。

日本は原発廃炉技術の世界1となるべき(猪瀬氏)
燃料電池技術の世界1となるべき(孫氏)

キーワード
1.革命が始まった(グリーンエネルギー革命)
2.競争と協調(競争に勝つための協調が必要)
3.エネルギー問題は社会全体、次世代のことを考えて決める
4.未来世代にどう倫理的義務を感じてこのごとを解決するか

2012年9月5日水曜日

30代が覇権を握る。  富山和彦氏

JAL再生にタスクフォースのサブリーダーとして関わった富山和彦氏を招いた勉強会。

内容は一企業人として、現在の企業が直面している課題。

世界の動きが激しい現状では、意思決定する能力(タイミング+内容の正しさ)、実行能力が経営トップに求められている。日本の共同体的なムラ社会の残る会社は意思決定が遅いため、社会の変化に対応できない。こうした会社は滅びるしかない。

一方で、オーナー会社は意思決定が迅速で対応可能。後継する有能なリーダーを社内でどう育てるかがカギとなる。(この議論はだいぶ前の日経ビジネスにも日本企業の問題としてサラリーマン化する社長の経営判断の遅れが指摘されていました。それよりも数年前に、ある会合でグローバル企業に勤めている知人が、経営トップの判断の遅さ、自分の言った判断で失敗することを恐れるあまり、経営会議で皆の意見として決めたがることへの危機感を述べていたことを思いだします。)

企業が新陳代謝しない日本では、新しい芽が出ないことが問題である。個人の連帯保証が厳しいので本来ならば存続するはずない企業でも一生懸命潰さないようにしている。新しく挑戦し、またやり直すことが容易にできるよう仕組みが必要である。

富山氏から頂いた著書(タイトルは表題のとおり)は、日本の金融資産の6割を(純貯蓄額の78%)を握る60歳以上の世代が、年金、医療、介護で恩恵を受け、30代がやりくりしながら苦しんでいる現状を指摘している。

竹中平蔵氏の勉強会

竹中平蔵氏を招いて勉強会に参加しました。
世界経済がこの20年間で大きく変わったこと。2点。
1)市場経済の規模が27億人から70億人と拡大したこと。
  これにより、商圏拡大により可能性が拡がった。同時に、世界の安い労働力との競争が広がった。、
2)デジタル革命により、社会がフラット化する。(たとえば、東京とブラジルのオペレーターの仕事の賃金が同一化する)

こうした点から、やはり、世界的にみて、中間層は復活するのが難しい。

 
先進国である日本にはグローバルブランドがある。イノベーションの力がある。そこを活かして、さらに、①教育改革(再教育できるように。金子勝先生の本では「潰しのきく能力を高める教育」)、②労働市場改革(女性の就労を支援する)、③社会保障改革(年金を設計した事態の平均寿命は66歳、現代は80歳なので、制度設計した当時とは状況が大きく異なる。支給開始年齢の引き上げが必要となろう。)

世代間の格差が大きくなっている時代、主張する機会を与えられない世代(20歳代未満からこれから生まれる世代)に負担を残さないための社会保障改革が必要であると常々思っていましたので、納得する部分もありました。

アメリカのシェールガス開発により、ドルが強くなる、省エネ技術など新エネ技術の開発で日本が有利になる、アメリカの軍事配備が中東からアジアへシフトする、、、といった話も聞きました。

著書「日本経済こうすれば復興する」には面白いことが書いてあります。

2012年9月1日土曜日

藻谷浩介 氏を招いて

自民党1,2期の誠真会で日本総研の藻谷浩介氏を招いて勉強会をおこなった。

群馬県の人口動態の10年間の推移を示されショックでした。0歳から14歳が17%減。15歳から64歳が10%減。65歳以上が21%増。税収減と社会保障費増の原因。

群馬の将来の人口予測を冷静に分析し、将来のこどもたちに資する政案(財政面、町づくりや教育、など)を考えていくべきだとおもいます。

群馬県の売り場面積は90年から15年間で47%増ですが、売上は2.17兆円から2.13兆円と変化なし。個人所得は2.48兆円から2.69兆円と団塊ジュニアの就職の影響で微増しているようです。

日本全体を見てもバブル期に比べて個人所得は増加しているが、全商業施設の売り上げは増えていない。日本人の高齢富裕層は所得が増加しても、実物消費には向かわずに貯めていることが分かる。

90年の日本の輸出額は41兆円、2011年は63兆円と増加。円高になっても輸出は減っていない。
対中、韓、台湾、インド、EU,シンガポール、米に対しては貿易黒字を保っている。日本の赤字は主に石油産油国。
円安になると燃料価格が上昇することになり、国民が苦しむ(中、韓は国民生活に影響している)

まずは、子供が生まれるような環境をつくること。
ー女性が働く社会
ー子育ては男女共同で
ー障害者が何らかの形で誇りを持って働ける職場づくり

など。示唆を頂きました。